ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン・同時接種の結末。その背景は?
本日、厚生労働省で「平成22年度第12回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び第3回子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催について」というのがありました。平たく言えば、接種取り止めになっていたヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンおよびこれらの同時接種について、再開するかどうかを決める会議です。
前回としがって、サクサクと進んだように思います。やはり、成育医療センターの斎藤昭彦先生がいらっしゃたのと、同時接種についての866施設ものアンケートが大きかったのかもしれません。
終わってみれば、いったいこの騒ぎはなんだったのかと思います。少し調べてみました。
この件で初めてニュースになったのは、3月2日です。
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20110303ddlk28040410000c.html
予防接種:翌日、幼児が死亡 因果関係不明、調査へ--宝塚 /兵庫
宝塚市は2日、市内の診療所で先月28日に細菌性髄膜炎の予防接種を受けた2歳男児が、翌日死亡したと発表した。男児には基礎疾患があったという。接種と死亡との因果関係は不明で、厚生労働省が調査する。
同市健康推進課によると、男児は診療所でヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンを任意で接種した。一度帰宅したが、容体が急変し、1日に救急搬送された伊丹市内の病院で死亡が確認された。
男児は両ワクチンとも初めての接種だった。診療所では保護者を通じて問診をし、問題がないことを確認したという。市によると、この診療所は3日以降も予防接種を続ける予定という。【山衛守剛】
このニュースの発端は宝塚市からだということがわかります。それともう一つ、
http://kurobe-shin.no-blog.jp/bk/2011/03/post_87e8.html 黒部信一のブログ
死亡した被害者は、宝塚が最初の報告であったが、たまたま市長が元中川智子衆議院議員であったことからかも知れない。
さて、中川智子市長の経歴を調べてみると、もともと社民党に属し衆議院議員であったことがわかります。そうです。昨日書いた、阿部知子議員と同じ社民党です。
そうなると、阿部知子議員の以前のつぶやき
http://twitter.com/#!/abe_tomoko/status/44538366745772032
今朝は雨からみぞれ、そして雪に。昔はよく三月に大雪が降ったのを思い出す。国会は今日も参議院での予算委員会であるが、まだまだ先の見えない、内向きの 論戦が続くのだろう。政権が揺れる間にも乳幼児の予防接種でまた死亡事故が相次いで発生、今夕宝塚市長、西宮市長と共に厚労省に申し入れに行く。
というつぶやきも合点が行きます。
ワクチンの副反応に敏感な市長のいる宝塚市で、有害事象が起こったため騒ぎが大きくなったというのは言いすぎでしょうか?
4月1日からヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンが再開されます。基礎疾患のある児童でも同時接種が可能です。その時の宝塚市の対応が気になります。
最後に重ね重ねですが、亡くなったお子様たちに深い哀悼の意を表します。
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コメント
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B型肝炎のワクチン接種をすると、何度やっても抗体ができない人もいるし、抗体ができても抗体価が下がってすぐに測定限界以下になり、マイナスになってしまう人も出てきます。ワクチンが有効であることを前提にして接種するのですが、接種後の抗体価の確認などの資料とかは存在するのでしょうか?
投稿: タカ派の麻酔科医 | 2011年3月25日 (金) 16時11分
答えにはなっていませんが、一般的にHBVのノンレスポンダーは小児には少なく、ユニバースワクチネーションを行っている国々では全ての子どもの抗体価チェックを行っていません。
日本ではHBVは二種類ありますが、皮下注射しか行えない現状ではビームゲンが唯一の選択です。他のは皮下注射では免疫がつきにくいようです。
投稿: atsushimiyahara | 2011年3月25日 (金) 16時51分