東京都の水道水をミルクに使ってはいけないのか?ゼロリスク探求症候群に陥らないために。
私の知り合い(Aさん)が、この前話していました。Aさんの友人で関西に住んでいる人(便宜上Bさん)が、Aさんにしきりに東京を離れるように言ってました。テレビやインターネットを見ているうちに不安になったようです。結局Bさんは、飛行機で海外に行ってしまいました。
実際のところ、関西に住み続けるよりも、飛行機に乗るほうが被曝量は多いはずです。その話をBさんが事前に知っていたら、果たしてどうしたでしょうか?
ちなみに飛行機になんども乗っているパイロットやキャビンアテンダント、それにエクゼクティブで何度も飛行に乗っているお客さん(マイレージ、マイライフ)で、悪性腫瘍が増えたというデータはありません。
以前お話ししましたが、ゼロリスク探求症候群というのがあります。
簡単に言うと「ゼロリスクを求めるあまり,リスクバランス感覚を失い,他人が犠牲になることも理解できなくなる病的心理」です。先程の、Bさんはゼロリスク探求症候群という宿痾に陥ってしまったのですね。残念ながら重症でした。
東京の水で、乳児の基準値を越える放射性ヨウ素が検出されました。数日前に乳児に限って基準を下げ、その基準を超えたのです。
冷静を呼びかける報道とは裏腹に、動揺が広まっています。京大のサイトも今のところ、Ver.4のままで、水道水報道以前の状態です。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/rb-rri/gimon.html
ちょうどタイムリーな情報がtogetterにありました。自ら病院で被曝が必要な仕事(カテーテル)をしているママさん医師です。こちらを参考にしてください。
追加:ミネラルウォーターを使うのでれば、硬度の低い(ミネラルが少ない)、軟水を使うようにしてください。そのほうが赤ちゃんの腎臓にかかる負担が少ないです。東京都で配る水も軟水です。
追加2:毎日新聞の解説です。左巻健男先生もお答えになったようです。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110324k0000m040080000c.html
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コメント
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私の知識は20年以上前のものですが、放射線の影響は閾値のあるものと、直線的なグラフになるものとがありますよね。仮にですが、甲状腺癌の治療の際の放射性ヨードを例に挙げて説明すると、多くの人が納得し安心できる説明ができるのではないかとも思いますがどうでしょう。
ただ、電力などの問題を考えると、東京から人が外に出て行く方が、望ましい様な気がします。
投稿: タカ派の麻酔科医 | 2011年3月24日 (木) 12時33分
東京近郊から一時避難することには、それなりの合理性があると思います。
まずは上記「タカ派の麻酔科医」さんが仰るように、電力消費者の人数を減らせること。また、__万一__今後、ひどい余震があり、被災することになった場合、「支援を必要とする側」になる人数が減ること(3/11の地震で、首都圏でも老朽化した建物の中には、かなりダメージを受けているものもあるので、まったくあり得ない話ではない、、、かも知れないと思っています)。こうした点は、帰属する集団全体へのメリットと言えるでしょう。
避難することにした個人へのメリットとしては、原発や余震などへの不安を、多少なりとも軽減することができる点であることは、明らかかと思います。
この点に関して、「飛行機に乗ったほうが被曝量が多い」という指摘は、尤もでありますが、この「小児科医」さんのブログでは、Bさんが飛行機でどこへ行ったのかが書かれていません。官邸記者会見などでよく引き合いに出されるのは、東京=NYですが、韓国、台湾など近場への飛行機利用であれば、被曝量はより少ないと思われます。
また、現在分かっている水道水への放射性ヨウ素の混入量が、今後も同程度であるか、または減少するのかは、保証の限りではありません(おそらく、一過性の現象だと思われますが)。水道水への混入以外にも、大気中の拡散など、様々な被爆を全て網羅することも困難だと思われますし、何よりも、この状態がいつまで続くのか(=被爆 (の可能性) がどれだけ累積するのか)は、誰にも分かりません。
つまり、飛行機での移動に伴う被曝量は算出できるものの、もう一方の「避難しなかった場合の被曝量」は、現状では算出不可能だと思うのです。ですので、この両者を比較すること自体に、無理があると思っています。
また、(これは個々人の状況によって異なるでしょうが)海外に行くということは、おそらく気分転換や旅行といった、「ポジティブ」な経験が期待されます。ポジティブな経験を自ら選択し、そのために予想可能な一定量の被爆のリスクを取ることと、予断を許さない危機的な状況が続くストレスフルな環境に身を置きつつ、最大値が不明な被爆のリスクを取ることでは、前者を選ぶことに一定の合理性があると思います。
むしろ、東京在住のオピニオンリーダー的な人たちが、「自分は(東京に)残る」と宣言したり、場合によっては避難する人を「情報弱者」として揶揄したりすることに、懸念を持っています。心情的には、地震と津波で被災した人たちを「見捨てる」ような行動である、首都圏や日本からの避難は、とくに横並びを旨とする日本文化においては許容しがたい行動であると思いますが、現状では被災地に乗り込んで救援活動を行える体力、気力、技能を持った人は限られていますから、その他の人で、移動する手段や自由があるならば、移動すれば良いだけのことだと思います。その手段や自由があることをひけらかすのであれば品性がないと思いますが、最低限自分の身を守ろうとする行動は、むしろ当然と言えます。
避難することで、ストレスを軽減し、元気になった人たちが、後々しっかり働いて税金を納めたり、救援の支援活動を行ったり、寄付などをしてくれれば、その分、集団へのメリットは大きいと思います。今、特段役に立てる方法が無くて、移動の機会があるのならば、そして不安を感じているならば、移動すればよいと思います。そのことを浅薄であると批判しても、とくにメリットはないと思います。
被災者や、仕事などで移動手段や自由の無い人がいるからといって、その人たちに「遠慮」しても、何も状況は改善しません。「不謹慎」を「自粛」させようとする情緒主義と、大差無いように、違和感を感じています。
投稿: RadioDays | 2011年3月25日 (金) 09時27分
私も現在東京にいる人々が離れるのを問題視はしていません。放射線云々よりも、電力不足で生活、経済が成り立たないのです。
夏になれば、さらなる電力需要が見込まれます。その時、東京を離れるのは止むを得ないと思います。
投稿: atsushimiyahara | 2011年3月25日 (金) 09時44分