岩田健太郎先生のワクチン本について。ポリオの確率
先日書いた、予防接種は「効く」のか?岩田健太郎著、のことです。いろいろとコメントしようかと思っていたのですが、先に一つだけ書きます。
それに対して、経口生ワクチンそのものがポリオのような病気を起こす可能性は、440万分の1といわれています。p.144
この数字は誤っているといわざるを得ません。
以前も書きましたが、WHOの資料でも100万人に2-4人と言われています。440万分の1と8.8-17.6倍の開きがあります。この違いは小さいようで大きいです。
まずは取り急ぎご連絡まで。
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コメント
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コメントありがとうございます。これについての見解は、ブログにアップしました。ほんとうはどの数字が正しいのかは不明ですが、どちらにしても目標がゼロである(はず)のポリオなので、うん分の1なら許容して良い、ということにはならないと思っています。恣意性と科学性の議論がごちゃごちゃになっているのが、日本のワクチン行政の(数多くある)問題の一つです。
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2011/01/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%AA%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%BA%BB%E7%97%BAvapp%E3%81%AE%E9%A0%BB%E5%BA%A6%E3%81%AF%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84.html
投稿: 岩田健太郎 | 2011年1月 5日 (水) 11時20分
岩田先生、丁寧なお返事ありがとうございます。ブログも拝見させていただきました。
私は以前、保護者にVAPPの確率について説明をする時に440万の数字を用いていました。単純計算で4年に一件くらいです。100万人に2-4人という数字と比べて、保護者の受け止め方がどの様に異なるかはわかりません。
しかし、私自身の問題としてVAPPを見逃していたのでは、という思いがあります。滅多にない事だからポリオの麻痺はないだろう、、、と思っていたかもしれない、そう思うと背筋が寒くなります。
440万の数字のもう一つの問題としては、VAPPは滅多にない事だからという理由で厚生労働省(厚生省)がOPVの移行を認めなかった事にあります。最初から100万人に2-4人という数字でも、厚生労働省は滅多にないというかもしれません。しかし、440万が100万になったら状況は変わります。
投稿: atsushimiyahara | 2011年1月 5日 (水) 14時34分