とある「みずぼうそうパーティー」の顛末(伝聞ですが)
「はしかパーティー」とか「みずぼうそうパーティー」というのがあります。
麻疹から無事回復したから快気祝い、というのではありません。麻疹や水痘にかかった子がいると、「その子から感染させてもらう為」に免疫のない子どもを連れてパーティーをするというものです。麻疹も水痘もともに空気感染(平たく言えば、そばにいるだけで感染する)というのも興味深いです。
英国では、MMRが自閉症の原因と言われた為、MMRワクチン接種率は低下し麻疹パーティーが広まりました。その結果、麻疹で亡くなる子どもが英国では増えました。
日本でも時々聞きます。既に消去されたので、魚拓から引き出します。
わ~い水疱瘡パーティーの始まりで~す!
伝聞ですがあるDr.からこんな事を聞きました。
ワクチン勉強会(ホメオパシーとの関連は不明)をしているグループで、水痘はワクチンで予防するよりも小さい時にかかった方がいい、ということになっていました。あるお子さんが水痘になった時に、
わ~い水疱瘡パーティーの始まりで~す!
となったかどうかはわかりませんが、「みずぼうそうパーティー」をしたのです。
その後、最初に水痘になったお子さんの皮膚は、酷いことになりました。もともとアトピー性皮膚炎があったので、水痘がかなり広がったのです。おしっこをするのもかなり痛がります。そのお子さんは、病院に行ってお薬を処方してもらいました。
そして、自らの子どもを水痘にかからせた母親が行動しました。少なくとも母親たちには、最初のお子さんの水痘を
私には水疱瘡がきれいに咲いた花のように見えるんです
とは、見なかったようです。みんなで相談したあと「水疱瘡にならない予防の薬」をもらいに病院を訪れました。日本では水痘予防としての抗ウイルス剤投与は保険診療では出せません(もし出すとなると発症後ですが、乳児医療なので多くは無料、または2割負担のみでかなり安くすみます)。「みずぼうそうパーティー」からも結構経っているので、ワクチンの効果も望めません。
水痘に関する誤った知識・善意の「みずぼうそうパーティー」とその結果・予防よりも治療のほうが高くつくにもかかわらず家庭内での見かけ上の負担は予防のほうが高いという現状・・・
歪んだ歯車が絡まり合って、犠牲になったのは子ども達でした。
さて、(cache) ホメオパシー的パーティー:素直に私の、子どもたちはその後どうなったのでしょう?ブログが閉鎖されたので確認することはできませんが、無事に治癒してくれたことを祈るのみです。
追加(2019/02/07)
「みずぼうそうパーティー」に参加させられて、水痘脳炎になったかたのお話を聞きました。子どもたちを不必要に危険に晒す権利は、保護者にはありません。
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