同時接種の思い出
最近とあるお子さんの母子手帳をみて、驚きました。
生後二ヶ月からワクチンをしているお子さんです。生後二ヶ月にヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種しているのですが、生後三ヶ月からのDPTワクチンが始まってからかなり変則的でした。同時に打つワクチンは二つだけで行っていました。それだけならばまだいいのですが、BCGを自費で接種していたのです(BCGは集団接種で行っている地域です)。
三つの同時接種は腫れるから接種しない、というのが接種医の意見でした。しかし同時接種ができないと母親(医療関係者)の職場復帰が進まないため、母親は再三に渡り三つの同時接種を求めたのですが、接種医は「腫れるから」と拒否し、代わりにBCGを自費で接種すれば職場復帰の時期に間に合うと提案したのだそうです。
生後3ー5ヶ月しか実質上接種時期がないBCGですが、結核蔓延地域でもないところで同時接種を避ける為だけに、有償で行う必要はありません。
私はその接種医に連絡しました。そのときの話の内容はここでは書きませんが、日本ワクチンの夜明けは遠いぜよ、と思った次第です。先日日本小児科学会が同時接種に関する通達を出しましたが、日本でどの位同時接種(筋肉注射も)が普及するのかふと思うとがあります。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
うちの下の息子が同時接種してきました。1回の注射であった時には、けろっとしてましたが、両腕にされてかなり痛かったようで、翌日まで不機嫌でした。
同時接種OKなら、間隔を変えることはなんでだめなんでしょうか?
投稿: タカ派の麻酔科医 | 2011年1月28日 (金) 13時59分
タカ派の麻酔科医さん、こんにちは。
生-生の場合は免疫の干渉を防ぐため、同時接種又は四週間(27日)開けて接種することが求められています。それ以外は、実は医学上はどのような間隔でもかまいません。一日おきに、生・不活化・不活化と接種するのも大丈夫なのです。
しかし現状は、生ワクチンのあとはどんなワクチンでも27日、不活化ワクチンの後はDTP以外は6日開けることが行政上求められています。プレベナーでは「生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔をおいて本剤を接種すること。」と幅を持たせていますけど。
改善すべき点はいろいろとあります。
投稿: atsushimiyahara | 2011年1月30日 (日) 08時07分
某SNSでの情報ですが、どうやらBCGの後、27日あけずにDPT等の接種を勧める医師がいるようです。その是非を相談している人に3人ほど遭遇しました。勧められるまま27日あけずに接種している方もいるのではないかと思います。そうそうないとは思いますが事故があったときに問題になると思うので心配です。
投稿: みーま | 2011年2月 4日 (金) 10時26分
みーまさん、こんにちは。
BCG後の接種間隔については突っ込みしたいところもあるのですが、法律上は27日開けるしかありません。
この国の予防接種はルールにのっとって行います。そのうえで子どもの利益を考えていきましょう。自ら作った根拠のないルールを作ると、自縄自縛になってしまいます。
ちなみに、三つの同時接種を避けるためBCGを自費で接種した話を、とある感染症科の先生に話したところ絶句していました。そのくらいすごい自縄自縛です。
おまけ:自縄自縛アサガオ
http://f.hatena.ne.jp/kubitaoru/20070914223815
投稿: atsushimiyahara | 2011年2月 5日 (土) 06時46分
同時接種と関係ないコメントしちゃってすみません…。
「生ワクチンのあとはどんなワクチンでも27日…」のくだりを見てつい。
そうですよねぇ。ルールにのっとらないとダメですよねぇ。
どうやら保健所に相談しても「心配ならやめてはどうか」程度のアドバイスだった人もいるらしく、こっちの方が問題なんじゃないかと思ったり。
できる範囲で啓発しようと思います。ありがとうございました。
自縄自縛アサガオすごいです!なんてアホなアサガオ!
投稿: みーま | 2011年2月 5日 (土) 10時12分