子どもを「遅寝遅起き朝御飯なし」のリスクに曝す権利はない
医師会の仕事の帰りのことです。とある駅構内で子どもたちの声がします。子どもたちが遊んでいるのです。子どもたちはボールで遊んでいます。小学生でしょうか?低学年の子どももいます。
ほほえましい光景、と言いたいところですが、実はこれ夜の10時の出来事です。
夜の十時に遊んでいる子どもたちは、いったい何時に寝て何時に起きるのでしょうか?そして、朝ごはんを食べていつ学校に行くのでしょうか?
不登校や不定愁訴を訴える子どもたちは案外、「遅寝遅起き朝ごはんなし」が多い様に思います。特に外来をしていると、です。「遅寝遅起き朝ごはんなし」は、原因なのか結果なのか?
ヒトは元来、朝になったら起き、夜になると眠る。太陽を中心とした生活でした。これは社会的にも生理的にも理に適ったものでした。今の社会では夜にも生活できるようになりましたが、生理的にはヒトは昼行性です。子どもの間に、生理的な行動を無理に曲げて夜行性にする必要はありません。
「早寝早起き朝ごはん」という運動があります。目的は、名前の通りです。
「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について:文部科学省この運動は、子ども達だけでは成し遂げられるものではなく、保護者の努力が必要です。さらに言えば、社会のサポートが必要です。
前述の、夜10時駅構内での出来事は、子ども達は好き好んで行った事ではないはずです。
深夜でもテレビが放映され、インターネットは24時間見る事ができます。地域によっては夜中にビデオを借りたりコンビニで買い物ができます。親の都合で、子どもが寝れない環境にあるかもしれません。
子どもを取り巻く環境が変わりましたが、子どもを「遅寝遅起き朝御飯なし」のリスクに曝す権利は私たちにはありません。ご存知の方もいるとおもいますが、このフレーズは「助産院は安全?」のブログから採りました。琴子さんに感謝。
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