ドラッグラグと国内ベンチャーと
以前、発言を引用させていただいた片木美穂さんですが、片木さんのブログからまた引用させていただきます。
http://cancer.e-ryouiku.net/report/0002.html
自 民党の古川議員(外科医であり弁護士)が「先ほど、患者会が”臨床試験にドラッグ・ラグが大きな問題”といっていることに驚いた。」というのです。古川議 員の言い分は、海外の治療薬を患者に使っても日本にメリットはない。それよりも日本初の治療薬を作ることが雇用を生み、研究も活発になることになるといっ た趣旨の発言でした。確かに日本初の医薬品が大切なのもわかりますが、今、すぐそこに治療薬があるのに受けられない命がある状況で、何を言ってるんだ!と びっくりしてしまいました。
食料品が国産がいいのか輸入がいいのか言っているのとはわけがちがいます。
この古川議員というのは、古川俊治(としはる)議員のことです。古川議員とドラッグラグの発言について確認したら、このようなのがありました。国会内での発言です。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/174/0058/17403190058003a.html
ドラッグラグ、デバイスラグというのは、確かに解消すべき課題ではありますけれども、これは本質的な問題ではないです。そこを認識をいただきたい。一番本質的な問題は、日本から革新的な技術が出ていかないことなんですよ。それが一番の問題でございまして、それがなぜかという点を私は是非問題にすべきだとい うふうに考えているんですね。
大体同じ内容ですね。
医師にして弁護士、さらには教授であり国会議員でもある古川さんの経歴を調べてみましょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E4%BF%8A%E6%B2%BB
古川 俊治(ふるかわ としはる、1963年1月14日- )は、日本の医師、弁護士、政治家。TMI総合法律事務所アソシエイト。自由民主党所属の参議院議員(1期)。
慶應義塾大学医学部の学内ベンチャー、株式会社GBS研究所の代表取締役、慶應義塾大学法科大学院教授(医事法)及び同医学部教授(外科学)。
ベンチャー企業、株式会社GBS研究所代表取締役ということです。
http://www.amefrec.co.jp/ecolo/064/064_traders.htm
ここに説明がありました。神経再生治療やがん免疫治療に関するベンチャーを行っています。ここで注目すべきは、これらは「日本から革新的な技術」をだということです。「海外の治療薬を患者に使っても日本にメリットはない」ということでしょうか?。「それよりも日本初の治療薬を作ることが雇用を生み、研究も活発になる」ということでしょうか?この立場なら、「患者会が”臨床試験にドラッグ・ラグが大きな問題”といっていることに驚いた。」ということになるのかもしれません。
古川議員の立場(ベンチャー企業、株式会社GBS研究所代表取締役)と、自身の発言はあまりにもわかりやすく、かえって何か裏があるのではと思ってしまうところです。
ちなみに、株式会社GBS研究所のサイトは、
http://www.ins-gbs.co.jp/
ですが、現在リンクアウトしています。インターネットアーカイブで検索してみると、
http://web.archive.org/web/*/http://www.ins-gbs.co.jp/
2008年まではたどることはできますが、それ以降のサイトは確認することはできません。どうなったのでしょうね。
話は変わって、片木さんの発言から引用させていただきます。
http://medg.jp/mt/2009/11/-vol-343.html
一部のマスメディアや、当局の説明にあった「薬害の方の気持ちを慮らないと」とか「ドラッグ・ラグ解消は反社会的」という言葉は、どちらか一方を悪者にすれば問題の本質から目を背けられるとか、面白おかしくなるとか...そういう作られた敵対関係であると感じたのです。
まことに含蓄のある言葉だと思います。もう一度読み込むことにします。
« ポリオワクチンに関するメディア(医療ガバナンス学会) | トップページ | 「希望するすべての子どもに予防接種を!」「定期・任意」という枠の撤廃を! »
「医療問題」カテゴリの記事
- 原発と将来のガンについて(2011.11.06)
- 小児の細菌性髄膜炎ワクチンと同時接種について(2011.04.16)
- 安心と安全とマスコミと…駄文(2011.03.27)
- 東京都の水道水をミルクに使ってはいけないのか?再び。各学会の対応(2011.03.26)
- ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン・同時接種の結末。その背景は?(2011.03.24)
この記事へのコメントは終了しました。
« ポリオワクチンに関するメディア(医療ガバナンス学会) | トップページ | 「希望するすべての子どもに予防接種を!」「定期・任意」という枠の撤廃を! »
コメント