日本脳炎ワクチンの接種例(図示入り)・これで基礎免疫は大丈夫?
以前も話題にした日本脳炎ワクチンのスケジュールです。前のよりも比べてましになっています(不満はあります)。以前見ることができた、
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/nouen/index.html
は、今見ることはできません。
新しい、日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A(平成22年10月改訂版)です。10月6日が更新のようです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/nouen_qa.pdf
まとめてみると、
- 新・旧日本脳炎ワクチンを区別せずに、接種回数に数える(基礎免疫に3回必要)
- 接種間隔よりも接種回数が大事。
- 対象者は第1期(生後6カ月以上90カ月未満)と第2期(9歳以上13歳未満)(第1期と第2期の間と、第2期以降の年齢は・・・)
です。
まず、1ですが
Q22 従来使用していたマウス脳を用いた方法で製造された日本脳炎ワクチンで、過去に1期の接種をしたことのある方が、現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンで残りの回数の接種を受けることは可能ですか?
A22 従来使用していたマウス脳由来日本脳炎ワクチンで、過去に1期の接種したことのある方が、現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンで1期の残りの回数や2期の接種を受けることはできます。
なお、このような場合について、昨年度の厚生労働科学研究事業で、約200名(1期2回をマウス脳由来、追加を乾燥細胞培養約100名、1期3回をマウス脳由来、2期を乾燥細胞培養約100名)の接種前後の中和抗体価の測定が行われましたが、以前にマウス脳由来日本脳炎ワクチンの接種を行っていた人に乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンを接種しても、抗体価の有意な上昇が確認されました。また、ワクチン接種と関連がある重篤な有害事象は報告されませんでした。
ということです。
また、基礎免疫については
Q18 積極的な勧奨の差し控えによって、第1期の3回接種を終えていな
い方については、不足している回数分を接種する必要はありますか?
A18 日本脳炎に関する小委員会での検討において、日本脳炎ウイルスに対する基礎的な免疫をつけるためには、3回接種が必要であるとされたことから、第1期の3回の接種を終えていない方は、できなかった不足回数について接種を行うことが妥当と考えられています。
基礎免疫には3回接種必要ということですが、接種間隔が空きすぎた場合(二年とか)はどうなのかの議論は議論はしたのでしょうか?確認できたらしてみたいです。
2の接種間隔の話に移します。第1期の1回目と2回目がかなりあいてしまった場合です。
これを見ると、2回目をすみやかに接種し追加は6日以上空ければいいことになっています。
また、第1期の期間に3回接種できない場合はどうすればいいでしょう?
基本は、第1期と第2期の間に接種しましょうということです。1.5年以上間隔を空けるというのは第1期の終わり(生後90ヶ月)と第2期(9歳)の間が1.5年(一年半)だからです。最初、どうして1.5年かと思ったのですが、医学的根拠というよりもお役所の事情でした。
3.は2ですでにお話しましたが、一年半(7歳6ヶ月から8歳11ヶ月まで)の間は、定期接種として日本脳炎ワクチンは打てません。一年半待つか、自費で行うしかありません。どうしてなのかはわかりません。
ここで疑問があります。2005年5月31日に「積極的推奨の差し控えの勧告」行い、今回の通知までに5年以上経過しています。例えば、2005年5月に3歳の児童が、日本脳炎ワクチン(旧)を一回接種してそのままになっていた場合、今は8歳のはずなので定期接種できません。定期接種できるのは9歳になってから、つまり2011年になります。実に6年もの間が経っています。回数は3回でも5年以上も間を空けて、果たして基礎免疫が成立するのでしょうか?
この疑問に答えられる資料がありましたら、教えてください。
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