黄熱ワクチンとコレラワクチンの同時接種
以前同時接種のことで、以下のように書きました。
https://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-df20.html
同時接種で効果が減弱することはあるのか?
人間の免疫能力は十分にあり、多数のワクチンに対応できます。同時接種で効果が減弱することは、日本で普通に行われているワクチンではありません。
「日本で普通に行われているワクチン」というのは、黄熱ワクチンとコレラワクチンを頭に入れていました。干渉しあい効果が減弱するため、同時接種は避けるべきだとされていました。
最近は変わってきているようです。WHOの黄熱ワクチンに関するペーパーです。
http://www.who.int/wer/2003/en/wer7840.pdf
2003年と少々古いのですが、2010年のワクチンに関するポジションペーパ(方針説明書)にもリンクが張られているので、これが現在の情報ということでしょう。
それで、黄熱ワクチンのペーパーですが・・・
Since there is no interference between YF vaccine and other vaccines, YF vaccine may be administered simultaneously, but in different syringes and at different sites, with the following vaccines: measles, polio (oral polio vaccine), diphtheria tetanuspertussis, hepatitis B, hepatitis A, oral cholera and oral or parenteral typhoid.
ということです。
同時接種がOKになった理由は、あまりよくわかりません。コレラワクチンが新しくなったからでしょうか・・・
<追加>
先ほど、WHOのポジションペーパーの翻訳を見つめました。さすがは神戸大学です。
http://wer.ams.kobe-u.ac.jp/index03.htm
2003, 78, 349-360, No.40, 10月3日版 (original)
黄熱ワクチン
新しい入手可能なワクチンが髄膜炎を阻止ー現在、WHOは基金を要請
*有効性:中和抗体の防御レベル(ログ中和指数:少なくとも0.7)は、10 日以内にワクチンを受けた人の90%で、30 日以内に99%で認められる。ほとんどの場合、防御は30-35 年以上続くようである。また、YF ワクチンと他のワクチンの間に干渉がないために、YF ワクチンは麻疹、ポリオ(経口ポリオワクチン)、ジフテリア-破傷風-百日咳、B 型肝炎、A 型肝炎、経口コレラおよび経口非腸管ワクチンと同時に実施してよい。その際、注射器と部位は別にする。同時に投与されない時、生ワクチンはYF ワクチン接種の少なくとも1 ヶ月前か後でなくてはならない。
« ポストポリオ症候群 | トップページ | 日本脳炎ワクチンの接種例(図示入り)・これで基礎免疫は大丈夫? »
「ワクチン」カテゴリの記事
- 大人の百日咳ワクチン(2012.01.06)
- 年頭の挨拶:真のワクチン元年になるのはいつ?再び(2012.01.06)
- 古くて新しい話題:チメロサール(2011.11.03)
- Fukushimaの冷蔵庫(2011.07.16)
- B型肝炎ワクチンについて(2011.06.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント