赤ちゃんの貧血:かわいそうではすまされない
諸事情により更新遅れてすみません。
少し古い資料ですが、「小児期の鉄欠乏性貧血―概念・診断・治療―」(小児科診療1999年10号(3)、横山䧺)からの抜粋です(䧺は「右隹」とかいて、「まさる」と読みます)。
9か月児で母乳のみと離乳食を与えられた児童における、貧血の割合は、母乳のみで46.4%、離乳食を与えた群で18.7-28.2%ということです。日本の検査で、貧血(Hb10以下)の6か月児における栄養法別の内訳は、母乳64%、人工栄養および混合栄養36%ということです。
ここで注意しておきたいのは、「母乳=貧血」ではないし「人工栄養=貧血にならない」ということでもないということです。大切なのは、乳幼児期の貧血はだれにも起こりうる課題と考えたほうがよさそうです。
鉄分が不足しやすい乳児に鉄を予防的に補充するという方針は海外では確立した考えというのは、ぜひとも知るべきです。鉄補給は母乳育児にとって負けである、という考えのもとで鉄剤補充が妨げられているのであれば、残念なことです。「母乳では貧血になるから、母乳はすべてやめて鉄分の多いフォローアップミルクにしましょう」とはだれも言っていないのですから。
食事であれ薬であれフォローアップミルクであれ何らかの形で鉄分が補充されず、そのため貧血や鉄欠乏状態になる赤ちゃんがいるということは、かわいそうでは済まされません。「母乳 貧血」で検索すると、赤ちゃんの貧血よりも母親の貧血のほうが多くヒットするというのは、日本では赤ちゃんの貧血があまり問題視されていない証左でしょう。
離乳食は遅すぎず、必要に応じて鉄分の多い食材を選びましょう。アメリカでは離乳食として鉄添加シリアルもあります。
母乳に関しては、こちらも御覧ください。コメントも素晴らしい。
http://d.hatena.ne.jp/jyosanin/20101013/1286972011 「完母」
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