インフルエンザワクチンの効果はどのくらい?
ついにインフルエンザワクチンの季節がやってきました。医療側では予約の電話が鳴り響き対応に追われます(最近は予約を自動化するところも)。
毎年、効くのか効かないのかとか、せっかく打ったのにかかったとか、インフルエンザワクチンを打ったら絶対脳症になりませんかとか、そういった話を聞きます。
少しまとめてみましょう。
http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html
インフルエンザワクチンの効果に関しては、ワクチン接種をしなかった場合におこる危険性をワクチン接種によってどのくらい減らすことが出来るかという相 対危険で表わすことが合理的であるとされています。しばしば「有効率75%」などの言葉が使われていますが、これは、「ワクチン接種者100人のうち75 人が発症しない」ということではなく、「ワクチン接種を受けずに発症した人の75%は、接種を受けていれば発症を免れた」ということを意味しています。こ のことが理解されていないことも、インフルエンザワクチンの効果に対する不信感を助長してきた一因であると考えられます。
接種したらかからないというものではありません、お子さんの場合は掛け捨ての保険程度に考えてもいいのかもしれません。
ただ、高齢者やそのほか合併症を持つハイリスク群には薦められています。
このように、インフルエンザワクチンの効果は100%ではありませんが、高齢者を中心としたハイリスク群において、肺炎などの合併症の発生や入院、死亡 といった重篤な健康被害を明らかに減少させる効果が示されています。これはWHOをはじめ世界各国でも広く認められており、この事実に基づいてハイリスク 群を主な対象としたワクチン接種が勧告され、その実施が積極的に進められています。
また、私が心配しているのは、インフルエンザワクチンのスケジュールを立てるときに、ほかのワクチンよりもインフルエンザワクチンが優先されて、本来その年齢に必要なワクチンが打てなくなることです。
例えば、10月で2歳の誕生日を迎える1歳のお子さん。MRワクチンは未接種。このようなときに、10月にインフルエンザワクチンを優先させると、MRワクチンが公費負担で接種できなくなる可能性があります。同時接種をすれば普通に解決ですが、してくれるところは少ないです。
まとめです。
- 子供のインフルエンザワクチンに過度に期待しない(掛け捨て保険程度?)
- 接種してはいけないということはないが、他にも重要なワクチンがあるか考えてみる。
- ワクチンスケジュールは計画的に。同時接種をしてくれるところがあれば、そちらで。
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