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2010年9月 8日 (水)

「報告」よりもアシネトバクター対策に必要なものは?

 まずは今回多剤耐性アシネトバクターが原因でなくなった方々に、お悔やみ申し上げます。

 多剤耐性アシネトバクターがニュースになる少し前、とあるところでコリスチン(多剤耐性緑膿菌や多剤耐性アシネトバクターに効果があるが日本では認可されていない)の輸入について真剣に討議されていました。多剤耐性緑膿菌や多剤耐性アシネトバクターが見つかってから税関やFedExに相談しても遅いので、前もって輸入すべきというお話をしていました。洒脱なかも緊張感を持った場でした。

 報告をしていなかったから悪い、という報道があふれていますが、果たしてそうでしょうか?義務でもない報告を?確かに報告しなかったことは遺憾ですし、院内でも報告が遅れたのは確かなようです。今回の発覚はおそらくは「報告」という正規のルートを通してではないのだと思います。

 逆に報告したら、どういった対応を厚生労働省がしてくれるのでしょうか?現場を知らない行政が、「病棟閉鎖」という手を出してくれるかもしれません。お願い程度の通知で報告して、病棟閉鎖になったのではたまらないと思う人もいるのかもしれません。厚生労働省は、報告後の対策もちゃんと示す必要持ったのではと思います(コリスチンでもくれるのかな?)。

None of your business http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/none-of-your-bu.html
Vol. 281 帝京大学病院院内感染事案における捜査開始を受けて http://medg.jp/mt/2010/09/vol-281.html

 予想ですが、多剤耐性アシネドバクターはもうほかのところにもいるのだと思います。市井の病院レベルで起こったことなのですから、遺憾ながら他のどこかの病院で起こってもおかしくはありません。そのつど、報告はなかったということで帝京大学や有隣病院と同じ扱いをメディアをし、厚生労働省が立ち入り調査を行い、警察が業務上過失致死で捜査をするのでしょうか?

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