最初のワクチンはどうしましょう?
赤ちゃんが家にやってきました。おとうさんおかあさんは、てんてこ舞いだと思います。おっぱい(ミルク)のために夜間目が覚めたり、オムツを替えたり。忙しいながらも、だんだんと大きくなっていく様子を見るのは楽しいものです。
そんな中、忘れてはいけないことがあります。いろいろとありますが、ワクチンのスケジュールを立てることが大事です。ワクチンは計画的に行いましょう。
でも、母子手帳や役所の書類が届くままに行ってはいけません。問題点としては、いくつかありますが、
- 日本のワクチン行政は20年ほど遅れており、任意・定期がごっちゃになっている
- 生ワクチン(ポリオ・BCG)の後は27日以上あけないと新しいワクチンはできない(同時接種は除く)
でしょう。地域・事情によってはDPTよりも先にBCGを接種することがありますが、そうするとDPTを接種するまでに27日空けなければなりません。予定を立てずにポリオを先にしてしまうと・・・
生後4ヶ月でBCG→生後6ヶ月でポリオ1回目→生後7ヶ月でDPT1回目
というプランになってしまいます。ポリオは今のところ日本では自然流行していませんし、結核も世田谷区では急いで接種する必然性は低いと思います。しかし、百日咳は何気に流行していますので、早めに接種する必要はあります。
DPTワクチンは現在生後3ヶ月から接種できます。また、最近話題の細菌性髄膜炎ワクチン(アクトヒブ、プレベナー)は生後2ヵ月から接種できます。アクトヒブは供給に問題がありましたが、近いうちに解消されるでしょう。そうすると、アクトヒブも早い年齢で打つことができます。
いろいろな方法がありますが、まずは・・・
- 生後2ヶ月で髄膜炎ワクチンセット一回目(アクトヒブ+プレベナー)
- 27日空ける
- DPT一回目。できれば髄膜炎ワクチンセット二回目と一緒に
- 27日空ける
- DPT二回目。できれば髄膜炎ワクチンセット三回目と一緒に
- 27日以上あける
- BCG(この日にちは基本的には変えられません)
- 27日空ける
- DPT三回目。
こちらもご覧ください。VPD(ワクチンで防げる病気)のサイトです。
http://www.know-vpd.jp/children/children_schedule.htm
後のワクチンとしては、
1.ポリオ:多少遅れてもいいと思います。ただ、きょうだいでまだ未接種の人がいたら、一緒に接種するようにしましょう。生ポリオワクチンは、便を通して未接種のきょうだいに感染する可能性がまれにあります。
もっといいのは、生ポリオワクチン(OPV)ではなく不活化ポリオワクチン(IPV)にすることです。が、現時点では輸入ワクチンになり、接種できるところは限られています。
https://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-e925.html
https://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-6325.html
不活化ポリオワクチン接種可能医療機関リスト(世田谷区もあります)
http://bit.ly/9c4xZU
2.B型肝炎:B型肝炎は今後広がると思われるウイルスであり、ワクチン接種が望まれます。多くの国では生後すぐに接種していますが、多くの産院では現在のところ接種してくれないかもしれません。最低でも集団生活を始めるころまでには接種を終えたほうがいいでしょう。
3.麻疹:0歳児で集団生活をする場合、麻疹の流行時期によっては接種したほうがいいでしょう。生後9ヶ月(場合によっては6ヶ月)から。1歳未満で接種した場合でも、1歳からのMRワクチンはスケジュールどおりに接種してください。
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