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2010年8月30日 (月)

【緊急】不活化ポリオワクチンを勧めたい~同志募集

日本小児科学会の声明です。

http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_100820.html

(登録:10.8.20)
■■ 日本小児科学会予防接種感染対策委員会声明
経口ポリオ生ワクチンの接種について

 世界的には野生株ポリオの流行がまだ存在する現実の中、わが国においては従来どおりポリオワクチン接種率を高く保つ必要があり、不活化ポリオワクチン(IPV)導入までは、OPV接種の徹底を継続するべきであることを日本小児科学会会員諸氏にはご理解いただきたい。

 これを読んで、何でIPVを早く導入できないのか、と思いました。ポリオワクチンについては、以前書いたとおりです。

https://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-e925.html
https://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-6325.html

 補足をしますと、日本で生ポリオワクチンを作っている日本ポリオ研究所がIPVを開発してましたが、データ管理のずさんさや製造ロットの問題などがあり2005年には厚生労働省に申請を取り下げました。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/04/dl/s0410-2a.pdf

(1)単抗原ワクチン開発
    わが国においても、1980 年代から財団法人日本ポリオ研究所において不活化ポリオワクチン(IPV)の研究が開始され、90年代後半に臨床試験が開始、第Ⅰ相が 98年に、第Ⅱ、Ⅲ相試験が 99 年に開始され、2001 年に製造承認申請がなされたものの、薬事法上の資料の基準適合性の問題等があり、並行して、DPT製造メーカー5社による DPT-IPV4種混合での開発が 2002 年ごろから検討開始。
2003 年3月には、感染症部会のポリオ及び麻疹の予防接種に関する検討小委員会において、不活化ポリオワクチンの導入と接種率向上策として、DPTワクチンとの混合化により、接種率向上と負担軽減が図られるとのことで、4種混合での導入提言が行われている。
これらに併せて、単抗原の承認審査が継続され、2004 年3月に抗原量の変更に関する検討が行われ、2005年6月追加治験計画届けを提出するも、7月に治験中止届け、10月製造承認申請の取り下げが行われ、現在単抗原ワクチンの開発計画はない。

 現在のところ三種混合ワクチンDPTとIPVが合わさった四種混合が開発中です。要するに小児科学会としては、ポリオワクチンの必要性は認めるが国産のIPV混合ワクチンが完成するまではOPVを使い続けなさい、ということです。

 ずいぶんとおさまりの悪い話です。IPVが開発されるのは目前なのに、それまでにOPVで起こりうる重篤な副作用には座視せよというのでしょうか?

 林 啓一先生(上海国際クリニック)・宝樹真理先生(たからぎ医院)が発起人となり、「不活化ワクチンを勧めたい~同士募集」という活動を始めました。国産IPVが完成する間、長年使われ安全性が確認されている海外のIPVワクチンを緊急輸入すれば、この問題は一歩前進します。
https://sites.google.com/site/ipv4japanesechildren/

 「同士」は別に医者でなくてもかまいません。学校関係者でも・主婦でもOKです。是非とも登録を。

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