日本助産師会の変心・・・その後が心配
ホメオパシーに関しては、ここ数日大きな変化がありました(追いかけられなくてごめんなさい)。
1.まずは、日本学術会議で、ホメオパシーに関する会長談話が発表されたこと。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d8.pdf
朝日新聞による、会見のやり取りも面白いです。
http://www.asahi.com/health/feature/homoeopathy_scj01.html
一番大事なところは、たぶん会長談話の一番最後の3行になります。ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います――というのが、一番大事なところだと思います。
日本学術会GJといったところですか。 日本ホメオパシー医学協会の「ホメオパシックジャーナル」からの記者の発言にやり取りも、見ものです。
会見時に配布されたパンフレットもわかりやすく、面白いです。
https://aspara.asahi.com/ulrsc/8/common/scjpaper.pdf
2.それに受け答え、日本医師会・日本医学会・日本獣医師会・日本獣医学会・日本薬理学会・日本歯科医師会・日本歯学会も賛同(またはその方針)を示しました。
http://www.asahi.com/health/news/TKY201008250328.html
山口市で、ホメオパシーを実践する助産師が女児にビタミンK2を与えずに死亡したとして訴訟になっていることを受け、助産師が加入する日本看護学会にも個別に賛同を呼びかけるという。
「個別に賛同」ってどういった意味かわからないのです。ホメオパシー親和性の強い、と以前書いた日本助産師会 とは個別に、という意味でしょうか?
そうなると、日本助産師会の立場はどうなるのでしょう?外堀を埋められてしまった感じです。ところが・・・
3.日本助産師会が8月26日(昨日)に「ホメオパシーの対応について」を発表しました。
http://www.midwife.sakura.ne.jp/midwife.or.jp/pdf/homoeopathy/homoeopathy220826.pdf
「ホメオパシー」への対応について
今般、日本学術会議金澤一郎会長は8月 24日付けで「ホメオパシー」の治療効果は科学的に明確に否定されており医療従事者が治療に使用することは厳に慎むべき行為という談話を発表されました。日本助産師会はその内容に全面的に賛成します。
ホメオパシーとの決別と考えても良いでしょう。日本助産師会で、ここまで踏み込んだ発言が出来るのはよほどのことだと思います。真に敬意を表明します。
ただ、ここまで書かれると、今までホメオパシーを使ってきた助産師は裏切られた気持ちになるのではないでしょうか?メディアからも、日本学術会議からも、日本助産師会からも外堀を埋められた、ホメオパシー助産師はこれから一体どうしたらいいのだろう・・・
今ホメオパシーから離れつつある人たち。「私はこれから一体どうしたらいいのだろう」の声。
日本助産師会の会員全てが、「ホメオパシーの対応について」をそのまま受け入れるとはとても思えません。ひと悶着あるかもしれませんね。
今回、きっかけとなった裁判の助産師が所属していた、日本ホメオパシー医学協会のホメオパシー新聞(号外)には、最近のメディアに対するコメントが載っています。
http://www.jphma.org/
当初、日本学術会議のコメントは8月25日に出す予定だったのですが、それが延期になりました。8月27日の午前6時半現在もコメントがありません。 どうしたのでしょうか?
ヒントとなるのが、日本学術会議会見の日本ホメオパシー医学協会のやり取りです。それを載せて、ひとまず終わりにします。
記者5 日本ホメオパシー医学協会の「ホメオパシックジャーナル」をやっています。あの、今回…
金沢 議論はしませんよ。
記者5 議論ではなく、調査というのは、どのぐらいホメオパシーについてされたのでしょうか。具体的に、調査が世界中のホメオパシーについて。これを見ると、あまり深く調査されていないような。
金沢 これ見てください。
記者5 あの、、、
唐木 科学の世界では、ホメオパシーは100%否定されています。それで十分だろうと思います。
記者5 調査はどのぐらいされたのかを教えていただきたい。
唐木 調査って、何をおっしゃっているのですか?
記者5 ホメオパシーに関する。
唐木 ホメオパシーの何ですか。ホメオパシーの有効性ですか。
記者5 有効性かどうかわかりませんが、実態がどのようになっているのかという点と、あとホメオパシーが現在問題になっているといい ますが、問題になっていることが事実なのかどうか、事実になっているかわかっていないものをあげられていますけども。そのへんについてどのようにお考えに なっているのでしょうか。
唐木 会長がさきほどご説明されたように、科学でないものを治療と称して使うことは、適切ではない。というのが、われわれの見解です。
(会見終了)
« グリパスCの思い出 | トップページ | 実は今日から・・・日本脳炎の通知 »
「医療問題」カテゴリの記事
- 原発と将来のガンについて(2011.11.06)
- 小児の細菌性髄膜炎ワクチンと同時接種について(2011.04.16)
- 安心と安全とマスコミと…駄文(2011.03.27)
- 東京都の水道水をミルクに使ってはいけないのか?再び。各学会の対応(2011.03.26)
- ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン・同時接種の結末。その背景は?(2011.03.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント