そろそろ麻疹の季節です
そろそろ(すでに?)麻疹流行のシーズンです。3年前(2007年)麻疹が学生の間で流行し、各大学が休校になったのは記憶に新しいところです。
麻疹(ましん・はしか)の特徴としては、
- 感染力が非常に強く、免疫が無ければまず感染する
- 麻疹初期には麻疹と診断できないことが多いので、周りに感染させやすい
- 重症度はかなり高い
- 合併症(脳炎・肺炎など)があると死亡率が高まる
- 麻疹にかかって数十年後にSSPEになる可能性がある
- ワクチンによって予防ができる
- ワクチンの効果が高くヒトにしか感染しないので、麻疹はワクチンによって根絶できる
があげられるでしょう。ワクチンの効果が高いと書きましたが、これには限界があります。
まず、ワクチン一回目の接種で免疫がつかない場合(PVF:primary vaccine failure)があります。ワクチンの効果は95%以上とされおり、5%弱の人がこれにあたります。
次は、ワクチンをして免疫がついてから十数年経って、ワクチンの効果が切れてしまうことがあります。2007年の学生での流行がこれに当てはまります。これを、SVF: secondary vaccine failure と呼びます。
これらに対応するためには、ワクチンの二度うちが必要です。海外ではごく普通に行われていたことですが、日本ではなかなか行われませんでした。
日本でもようやく、麻疹ワクチンを麻疹・風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の二回接種が2006年から始まりました。2009年の麻疹流行は1000人以下だったということです。これもワクチンの接種率が向上したからでしょう。
しかし、昨年の新型インフルエンザワクチンで問題が起きました。同時接種をしなかった場合、新型インフルエンザワクチンを優先させたため、MRワクチンの接種率が低下したというのです。
麻疹はワクチン接種率が95%以上(90%?)あれば流行が抑えられるといわれています。今年はどうなるでしょうか?
おまけ
なんだが、麻疹じゃなくて水疱瘡(みずぼうそう)みたい。それに、ネコやネズミは麻疹にはなりません!!
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