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2010年4月13日 (火)

ポリオどうしますか?

 春になると、ポリオワクチンのシーズンです(ほかにも入学式とかお花見とか・・・)

 ポリオワクチンにはいろいろな思いがあるのですが、書き連ねていきます。

 以前日本でもポリオが流行し社会問題になっていた時がありました。1960年の時です。日本にはワクチンがないため、海外から輸入する必要がありました。ワクチンには口からの生ワクチン(OPV)と注射で行う不活化ワクチン(IPV)がありましたが、日本で緊急輸入されたのはOPVのでした。この件は本や映画にもなりました。
NHK記者であった上田哲氏の「根絶」
http://www.geocities.jp/hokukaido/konzetu/
その上田氏がモデルといわれる「われ一粒の麦なれど」
http://home.f05.itscom.net/kota2/jmov/1996_03/960302.html
日本とソ連(当時)の共同制作の「未来への伝言」
http://www.cdist.co.jp/film/010004/

 OPVの導入で、日本でポリオの自然発生はなくなりました。しかし、いろいろな問題が残りました。

1.回数が少ない:もともとOPVは3回接種するものです。緊急輸入した当時に二回の接種で流行が収まったので、そのまま二回接種になりました。十分な免疫がつかない可能性があります。

2.副反応:一般的にIPVよりもOPVの方が副反応が多いとされています。その一つは、VAPP(ワクチン関連麻痺: vaccine associated paralytic poliomyelitis)です。ポリオの生ワクチンで、ポリオになってしまうのです。数はわずかですが、避けることはできません。ワクチンのおかげでポリオは日本からなくなったはずなのに、ワクチンでポリオが発症するという事態が起きています。

3.ワクチンのウイルスが蔓延?:OPVは便から排出されます(ワクチン由来ポリオウイルス(VDPV ; vaccine-derived poliovirus))。それをポリオの免疫が無い人に感染すると、ポリオになる可能性があります。実際、こどものオムツを取り替えたらポリオになったという人もいます。さらに怖いのはVDPVが、市井に流れることです(cVDPV circulating VDPV)。

http://www.npo-bmsa.org/wf061.shtml

 世界でまだポリオが流行している以上、ポリオワクチンを中止することはできません。先進国のみならず中進国といわれる国でのポリオワクチンは、より安全なIPVに移行しています。主要な国々でOPVを使っているのは日本だけでしょう。

 一刻も早い、OPVからIPVへの切替が望まれます。個人でIPVを接種したい方は、区内の個人クリニックで行っています。問い合わせてください。

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