25.未熟児・新生児急患入院時の処置
I 入院の準備
C 隔離を要する時
(1) NICU入院時
「母体周産期麻疹より出生した児は個室隔離。」
(2) 児が正常児でない場合
「水痘、結核、麻疹、百日咳(抗菌薬内服後5日間)の場合は母子別々に隔離。季節性インフルエンザ、風疹の場合は、母子分離せず母子を一緒に隔離。」が追加。
II 分娩立会い。
立会いの基準:「胎児仮死」が「胎児心拍異常」に変更。「羊水過多・過少」が追加。
A 準備
「吸引チューブは5,8,10,12Frを用意し」が「吸引チューブは10,12,14Frを用意し」に変更。用意するものに、パルスオキシメーターが追加。
B 蘇生
図(新生児の蘇生法アルゴリズム)が追加。
C 児の評価
「8点以上になるまで5分ごとに採点する」が追加。
III 種々の問題への対応
A 呼吸障害
(1) 呼吸窮迫症候群(RDS)
(iii) 循環不全を伴う場合、まずドパミン投与しさらに必要なら生食などを投与する記載が、まず生食投与し、あらに必要ならドパミンなどを投与すると変更。
(2) 胎便吸引症候群(MAS)
c治療
(ii) 全身管理
「先天感染の否定ができるまではABPCを投与する」が「・・・アミノベンジルペニシリン(ビクシリン)に加え硫酸アミカシン(硫酸アミカシン)を投与する」に変更。
(6) 無呼吸発作
b 治療
アミノフィリン(アプニション)2-6mg/kg静注後が5mg/kg静注後に変更。テオフィリン(アプネカット)の記載追加。
B チアノーゼ
診断:「95%を切るようなら検索が必要」が「生後1時間以降で95%を切るようなら・・・」に変更。
(2) 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
ドパミン、ドブタミンの量が変更。ミルリノン(ミルリーラ)や過換気アルカリ療法の記載が削除。
C ショック
(2) 治療
ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ)5-10mg/kg静注が2-4mg/kg静注に変更。
D 低アプガールスコア
「新生児仮死」の項目名が「低アプガールスコア」に変更。
(1)原因
「早産児、母体薬物投与、不整脈(徐脈)、先天性神経・筋疾患」が追加。
(2) 診断
細かな記載が追加。「低アプガールスコア=仮死ではない」と記載。
(3) 管理
「心機能低下に関してはドミニン・・・、ドブトレックス・・・、ミリスロール。」の後に「のいずれかを投与する」が追加。
E 低酸素性虚血性脳症(HIE)
(1) 評価
表が「成熟新生児における無酸素性脳症の重症度分類(Sarnatら、1976)」から「HIEスコア(脳症の評価基準) Shankaran S,et al :N Engl J Med 353: 1574-1584, 2005)」に変更。
F 新生児けいれん
(1) 原因
頻度の高い順に、記載が変更。細かくなった。
(2) 発作型
「間代性発作、局所強直発作、全身性強直発作、ミオクロニー発作、スパズム、微細発作」に分類。epilepticとnon-epilepticについての記載あり。
(4) 治療
「non-epilepticなけいれん、発作時脳波を伴わないけいれんは治療しない」が追加。
J メレナ(下血)、上部消化管出血
b 管理
ファモチジン(ガスター)1mg/kg静注が0.5mg/kg静注に変更。
K 低血糖
(4) 治療
大きく記載が変更。「20%の糖液静注はインスリン分泌を刺激し、血糖コントロールを不良にする」が追加。
(N ウイルス感染症)
項目すべて削除。
O 多血症
b 症状
「振戦、哺乳障害、黄疸」が削除「腎不全」が追加。
Q DIC
(3) 治療
ナファモスタットメシル酸塩(フサン)0.1-0.2mg/kg/時が・・・0.06-0.2mg/kg/時に変更。「または低分子ヘパリン(フラグミン)75IU/kg/日(新生児での有効性は不明。血栓を伴うDICに用いる。AT III 依存性のためAT III 補充必要)。血小板輸血。重症例では新鮮血による交換輸血。」が追加。「AT IIIは150%を目標に大量投与する。」が削除。
コメント
PPHNのNO吸入療法や、新生児けいれんのフェノバルビタール静注(ノーベルバール)の記載はありませんでした。
ノーベルバールについては下をご覧ください。
« Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty. | トップページ | 少しお休み »
「小児科当直医マニュアル 改定第12版」カテゴリの記事
- 32.DIC(2010.05.10)
- 30.肝不全(2010.05.10)
- 29. 川崎病(2010.04.30)
- 27. クループ症候群(2010.04.30)
- 27. アナフィラキシー(2010.04.30)
この記事へのコメントは終了しました。
« Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty. | トップページ | 少しお休み »
コメント