Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty.
J Pediatr. 2010 Mar;156(3):466-71. Epub 2009 Nov 14.
Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty.
http://www.jpeds.com/article/S0022-3476%2809%2900986-X/abstract
目的:早発乳房(premature thelarche:PT)の発症年齢が、臨床的特徴、経過および思春期早発症(premature puerty:PP)に進行するリスクなどに影響するかどうかを究明する。
研究デザイン:成長と思春期に関するデータは、1995年から2005年にかけてフォローアップした139人のPT患者の医療ファイルから検索した。解析は、PTを発症した年齢(出生、1-24ヶ月および2-8才)をもとに行われた。経過は、退行性・持続性・進行性および周期性に分類された。
結果:診断時に、身長標準偏差スコア・骨年齢-暦年齢比およびホルモン値などを三つの年齢グループで比べた。退行性が50.8%、持続性が36.3%、進行が3.2%おおび周期性が9.7%だった。進行性および周期性の発症率は、出生時発症のグループ(13%)や1-24ヶ月のグループ(3.8%)と比べて、2歳以上のグループで有意に高かった(52.6%: P<0.01)。思春期早発症は早発乳房の発症年齢や経過にかかわりなく、13%で発症した。
結果:診察時の臨床的および身体側底の結果と思春期早発症になるリスクは、発症年齢にかかわらず、すべての早発乳房の女性でよく似ていた。発症時思春期早発症に進行するリスクを予測できる臨床的および検査テストは、現在のところ存在しない。
出生時発症を含む早発乳房女児の この大規模な研究では、発症年齢にかかわらず診断時の臨床的および身体側底の特徴と思春期早発症のリスクは、すべての女性で同じだった。多くの(85%)早発乳房の患者は2歳前に発症し、そのほとんど半分が出生時発症だった。この早発乳房の年齢分布は、私たちの施設で25年前に行った結果と非常に似ている。年代を超えたこの一致は、これまでに起こったかもしれない栄養や環境の変化は、早発乳房の病態生理に主要な役割を演じてなかったということを示している。
新生児の(胸部の)触診可能な組織の存在は明らかに一般的な生理的現象であり、それは子宮内や母乳で、母親のホルモンに暴露されたのと関連があると信じられている。Schmidtらは、三ヶ月の女児の84.8%に触診可能な胸の組織があり、それは内因性エストラジオールの血中レベルと関係するが体重や皮下脂肪組織の量とは関係ないと報告した。この点において、われわれは出生時に存在した胸の組織が残っていた女児を観察していただけかもしれず、ほかの女児では組織が消えてしまったために単に参照しなかったのでないという可能性がある。特に興味があることに、われわれの知見では、乳房の発芽してから診察の間隔が、出生時に早発乳房をきたしたグループでは有意に長かった。出生時に乳房の発芽があるにもかかわらず、医療的助言はかなり遅かったと思われる。この診察の遅れは、多くのケースで起きている退行を除外しているかもしれない。
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この結果では、大豆の摂取やエストロゲンの血中濃度上昇や副腎アンドロゲン上昇や未熟性やSGAとも、早発乳房との関連がなかったということです。
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