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2010年5月20日 (木)

救児の人々〜医療にどこまで求めますか 

 近年、東京でも周産期医療の充実が叫ばれています。いわゆる「たらいまわし」が問題となり(これは定義から言っても倫理的にも正しくない言葉です)、東京でも、スーパー総合周産期センターというのができました。ハイリスク妊婦を断らないというものです。

 周産期のリスクは産科・新生児科のみで解決できるものではありません。脳神経外科・麻酔科・心臓血管外科・小児外科などが必要になることがあります。「断らない・全力を尽くす」というのは、ハード面・ソフト面で非常にコストや労力の要ることです。

 その結果どうなるかはほとんどの人が想像したことがないでしょう。妊娠24週で産まれた赤ちゃんを見たことがありますか?加熱と湿気で内面が曇るくらいの大きな保育器の中に、とても小さな赤ちゃんが入ってます。皮膚はみずみずしいまでに半透明で体も手足も驚くほどに細いです。点滴も赤ちゃんの手と同じくらいの大きさのものが入っています。口には空気を入れるためのチューブが入っているので、産声も出せませんし、チューブを外しても声を出すことはないでしょう。残念ながら、このような赤ちゃんが、全員、後遺症なき生存(インタクトサバイバル)で退院できるわけではありません。自力で呼吸やミルクを飲むこともできず、介護を一生必要とすることもあるのです。「たらいまわし」を非難し、周産期医療の充実を叫ぶ人たちは、こういった現実を直視しているのでしょうか?

この現代社会の病巣ともいえるような、国民の倫理観や死生観の欠如、自分たちが社会を構成する一員であるという意識と想像力の欠落、それを助長させる社会構造、それらが新生児医療に凝縮されていた。

 ロハス・メディカルから出版される予定の「救児の人々〜医療にどこまで求めますか」の前文です。文字通り、新生児医療の問題を言い表している一文だと思います。
http://lohasmedical.jp/blog/2010/04/nicu_2.php

 6月19日までの期間限定で、PDFで読むこともできます。でも、皆さん予約して買いましょうね
http://lohasmedical.jp/books/

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