論文読み

2010年4月20日 (火)

Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty.

J Pediatr. 2010 Mar;156(3):466-71. Epub  2009 Nov 14.

Premature thelarche: age at presentation affects clinical course but not clinical characteristics or risk to progress to precocious puberty.

http://www.jpeds.com/article/S0022-3476%2809%2900986-X/abstract

目的:早発乳房(premature thelarche:PT)の発症年齢が、臨床的特徴、経過および思春期早発症(premature puerty:PP)に進行するリスクなどに影響するかどうかを究明する。
研究デザイン:成長と思春期に関するデータは、1995年から2005年にかけてフォローアップした139人のPT患者の医療ファイルから検索した。解析は、PTを発症した年齢(出生、1-24ヶ月および2-8才)をもとに行われた。経過は、退行性・持続性・進行性および周期性に分類された。
結果:診断時に、身長標準偏差スコア・骨年齢-暦年齢比およびホルモン値などを三つの年齢グループで比べた。退行性が50.8%、持続性が36.3%、進行が3.2%おおび周期性が9.7%だった。進行性および周期性の発症率は、出生時発症のグループ(13%)や1-24ヶ月のグループ(3.8%)と比べて、2歳以上のグループで有意に高かった(52.6%: P<0.01)。思春期早発症は早発乳房の発症年齢や経過にかかわりなく、13%で発症した。
結果:診察時の臨床的および身体側底の結果と思春期早発症になるリスクは、発症年齢にかかわらず、すべての早発乳房の女性でよく似ていた。発症時思春期早発症に進行するリスクを予測できる臨床的および検査テストは、現在のところ存在しない。

 出生時発症を含む早発乳房女児の この大規模な研究では、発症年齢にかかわらず診断時の臨床的および身体側底の特徴と思春期早発症のリスクは、すべての女性で同じだった。多くの(85%)早発乳房の患者は2歳前に発症し、そのほとんど半分が出生時発症だった。この早発乳房の年齢分布は、私たちの施設で25年前に行った結果と非常に似ている。年代を超えたこの一致は、これまでに起こったかもしれない栄養や環境の変化は、早発乳房の病態生理に主要な役割を演じてなかったということを示している。
  新生児の(胸部の)触診可能な組織の存在は明らかに一般的な生理的現象であり、それは子宮内や母乳で、母親のホルモンに暴露されたのと関連があると信じられている。Schmidtらは、三ヶ月の女児の84.8%に触診可能な胸の組織があり、それは内因性エストラジオールの血中レベルと関係するが体重や皮下脂肪組織の量とは関係ないと報告した。この点において、われわれは出生時に存在した胸の組織が残っていた女児を観察していただけかもしれず、ほかの女児では組織が消えてしまったために単に参照しなかったのでないという可能性がある。特に興味があることに、われわれの知見では、乳房の発芽してから診察の間隔が、出生時に早発乳房をきたしたグループでは有意に長かった。出生時に乳房の発芽があるにもかかわらず、医療的助言はかなり遅かったと思われる。この診察の遅れは、多くのケースで起きている退行を除外しているかもしれない。

・・・・

 この結果では、大豆の摂取やエストロゲンの血中濃度上昇や副腎アンドロゲン上昇や未熟性やSGAとも、早発乳房との関連がなかったということです。

 

2010年4月15日 (木)

メトホルミンと青年期の肥満

Metformin Extended Release Treatment of Adolescent Obesity
A 48-Week Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial With 48-Week Follow-up
http://archpedi.ama-assn.org/cgi/content/abstract/164/2/116
Arch Pediatr Adolesc Med. 2010;164(2):116-123.

背景:メトホルミンは青年期肥満の治療薬として考えられている。しかし、長期的な対照研究は報告されていない。
目的:毎日48週間の塩酸メトホルミン徐放薬がプラセボと比べて、若者の肥満者たちのBMIを減少するかを試験する。
デザイン:他施設の任意抽出された、プラセボ対象の臨床試験
設定:2003年10月から2007年8月にかけて、Glaser Pediatric Researchの6施設で行われた。
参加者:肥満の(BMI95パーセンタイル以上)若者(13歳から18歳)が、治療群(39名)とプラセボ群に、無作為に割り当てられた。
治療:一ヶ月の導入期間の後、生活改善治療プログラムを受けた対象者らは、塩酸メトホルミン徐放薬一日一回2000mg48週間治療と同一のプラセボに無作為に選ばれた(比率は1:1)。対象者はさらに48週間追跡調査が行われた。
主要結果測定法:住居、性別、人種、民族性および年齢で修正したBMI変化をメトホルミン群とプラセボ群で比較した。
結果:48週間後、プラセボ群の修正BMIの平均(標準誤差)は0.2(0.5)増加し、メトホルミン徐放薬群では0.9(0.5)低下した(P=0.3)。この差異は治療中止後も12-24週にわたって続いた。身体組成・腹部脂肪およびインスリンインデックスに対する有意な効果は認めなかった。
結論:メトホルミン徐放薬は、生活改善治療プログラムを併用した場合、小さいが統計学的有意にBMIを減少させる。


コメント
 アブストラクトには記載されていませんが、治療中止後からその後48週目のBMIを比較してみると、治療群では0.5(0.5)の増加でプラセボ群では0.8(0.5)の減少で、逆の結果となりました。薬だけで永久に体質が変わるというわけではないようです。
 メトホルミンはビグアナイド系の糖尿病治療薬です。尿酸アシドーシスや低血糖が重篤な副作用だといわれていますが、今回の治療ではそういった副作用は出ませんでした(おなかの不具合などは出たようです)。
 日本での2型糖尿病の治療量はメトホルミン500-750mg/dayです。この実験での2000mg/dayがいかに多いかわかります。また、一日一回の投与ですむ徐放剤も日本では販売されていません。
 メトホルミンは2型糖尿病のみならず、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)にも効果があり、小児でも使用例があります(使用量まではわかりませんでした)。小児でも案外隠れNASHは多いと思われるので、今後メトホルミン治療の対象になるのでしょうか?
 小児のNASHの患者さんの生活を調べてみると、結構メディア漬けになっている人が多いと思います。この論文ではメトホルミン治療のほかにlifestyle intervention programを併用したと書いてありますが、小児の肥満治療は食事のみならずライフスタイルの変容も必要でしょう。プラセボ群で治療後にBMIが下がったのが気になりますが、ひょっとして「薬を飲んでもBMIが変わらない→プログラムどおりにライフスタイルを変えよう」と実行したのかもしれませんね。

2010年4月13日 (火)

SIDSの同時危険

http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/125/3/447

Concurrent Risks in Sudden Infant Death Syndrome
SIDSの同時危険

いつもながらの下手訳です。

要約
背景:安全な睡眠に関する教育が向上しているにもかかわらず、乳児たちはまだSIDSの多発しているリスクにさらされている。
目的:SIDSのリスクの頻度、共起リスクの傾向、修正可能なリスクと修正不可能なリスク間の関連およびリスクの無いケースの希少性などの関心を高める。
設計と方法:1996-2000年にニュージャージー州で起こった244ものSIDS例で、修正可能なリスク(父親母親の喫煙、仰向けではない姿勢で寝るか発見時にうつ伏せだった、ベッドの共有、または状況リスク(枕の使用など))と修正不可能なリスク(上気道感染や37週未満の在胎週数)の頻度や共起について評価した。
結果:仰向けではない姿勢で寝た場合は70.4%で起こっていた。発見時うつ伏せだった乳児は13例で、これらの症例を含めると76.1%に上昇する。その87%では他のリスクも含まれていた。母親の喫煙は42.6%であり、そのなかで98%は他のリスクを伴っていた。96%で少なくとも一つのリスクがあり、78%で2-7つのリスクがあった。完全なデータを元にすれば、リスクの無い症例はわずか2症例(0.8%)だった。修正できないリスクを除外すると、5.3%がこの基準に当てはまった。
結果:リスクの無いまたはリスクが一つだけのSIDSは珍しく、多くはいくつかのリスクを持っている。保護者の教育は、包括的に行い、修正できないリスクへの補償的戦略に取り組むべきである。


本文

結果(表参照)

表 2 SIDS症例のリスク因子

                                               
喫煙(%)
母親の喫煙42.6
父親の喫煙50.0
親(一人か両方)の喫煙60.3
上気道炎44.0
状況リスク31.5
在胎週数37週未満27.2
ベッドの添い寝38.9
状況リスク:キルト・毛布・枕・ソファーの使用および他の子どもたちの存在

表 3 リスクの共起(注:50%以上を赤くしました)

                                                                                                                                   
追加リスク追加リスクがある場合のリスクの割合(%)
非仰向け母親喫煙上気道炎状況父親喫煙在胎週数<37W添い寝
非仰向け 76.4   72.3   83.6   74.7   69.5   80.0  
母親喫煙44.2 40.2 53.6   69.4   54.6   53.1  
上気道炎40.8 39.3 28.8 41.0 40.4 45.0
状況36.1 40.2 20.9 37.1 28.3 43.0
父親喫煙50.4   85.5   47.2 58.9   59.1   54.6  
在胎週数<37W24.8 33.3 25.8 24.6 30.2 30.6
添い寝39.8 46.7 40.0 53.3 40.0 42.6  

議論
概観
1.    リスクの無いSIDSは、修正可能なリスクに限定しても、まれであった
2.    同時多発リスクが、大部分のケースであると分かった
3.    修正不可能なリスクは多くの場合修正可能なリスクを伴っていた

リスク減少教育
 修正可能リスクと修正不可能(在胎週数37週未満や上気道感染)なリスクの組み合わせは、介護人教育に示差を与える。
 NICUでは治療としてうつ伏せ寝をしているが退院後は仰向け寝に変えることを、家族に理解し受け入れてもらうように医療関係者が援助することを、APPのガイドラインではアドバイスしている。しかし、退院指導ではこの推奨を堅実に反映していないかもしれない。退院後も、外来診療のたびに、医師は他のリスク減少ガイダンスも使いながら、仰向けにすることを手助けし続ける必要がある。
 もう一つの修正不可能のリスクである上気道感染は症例のの44%に見られた。うつ伏せ寝と、最近の病気や感染との組み合わせは、個々のリスク因子で見られるレベルよりもSIDSのリスクを増大させる。我々の上気道炎症例乳児で、約四分の三は仰向け寝ではない状態に置かれていた。上気道炎を伴う症例では、44%の母親と47%の父親が喫煙をしていた。Winickoffらは、小児科医は煙暴露(smoke exprosure)について十分な質問やカウンセリングをしていないし、禁煙診療に行くように家族を援助しないと指摘した。さらに言えば、乳児のいる黒人家庭では家族内喫煙が白人やヒスパニックと比べて非常に多く、これらのグループ間でSIDS発症率に偏りがあるので、医療関係者は禁煙外来に行くように指導することでこの偏りを減らす必要がある。
 最後に、母乳は感染減少と関連がある。しかし、2005年に改定されたSIDSリスク減少ガイドラインでは、母乳が感染減少戦略となるという十分なエビデンスは無いと言及した。最近では、Vennemannらは、母乳はSIDSのリスクを50%まで減少したと指摘し、SIDSリスク減少ガイドラインに母乳についてのアドバイスを加えるよう推奨した。

研究の限界について
 死後すぐに集めたデータのため、時間に関連した思い出しバイアス(過去の事例を思い出すときに生じるバイアス)を我々は関心を寄せていなかった。この研究デザインでは生存中の乳児との比較は含まれていないため、これらのグループ間での相対的な思い出しバイアスの問題は無い。
 しかし、我々はスティグマにより過少報告されるリスクの可能性を考えなければならない。うつ伏せの状態で見つかった非常に若い乳児が、スティグマのため仰向けだったと報告される懸念について、我々は排除することはできない。しかしながら、潜在的なバイアスやデータ紛失にもかかわらず、ほとんどすべての症例でリスクは報告された。
 あお向け寝から発見時うつ伏せになっていた乳児の平均死亡年齢は、あお向け寝の乳児が寝返りを打てるようになる年齢(4-5ヶ月)よりも若かった。そのメカニズムは不明である。
 他の限界としては、我々の研究は記述的研究であり、ケースコントロール研究ではない。最後に、人口統計学的にニュージャージー州と相同ではないコミュニティーにこの研究結果を一般化することの危険性を、我々は呼びかける。

結果
 SIDS症例の調査で、多発リスク因子が明らかになった。多くの症例では一つ以上のリスクがあった。修正できないリスクは、修正できるリスクを伴い、さらに上昇したリスクとなって発生した。リスクの無い症例は珍しかった。これらの知見で、両親や他の医療関係者に広範囲なリスク減少の教育を提供することの重要性がわかる。APPのガイドライン・リスク減少のキャンペーン・死亡状況の調査技術、それに診断基準の向上で、SIDSのリスク様式の傾向を評価する更なる研究が必要である。単一のリスクだけではなく組み合わせのリスクの相対危険度を評価するため、ケースコントロール研究もまた必要である。


コメント

 NICUでの退院指導で、案外うつ伏せ寝の指導をあまりしてないのかもしれません。禁煙教育も大切ですね。肝に銘じなくてはいけません。

 SIDSの本当の日本語訳は乳児突然死症候群ですが、厚生労働省のガイドラインでは乳幼児突然死症候群となっています。定義上年齢は一才未満ですが、厚生労働省のガイドラインでは一才以上でも可能としています。日本と海外でのSIDSの定義は異なるため、海外との比較では注意が必要です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E5%B9%BC%E5%85%90%E7%AA%81%E7%84%B6%E6%AD%BB%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
 bed-sharingを「添い寝」と訳すべきか、悩みました。意図的な添い寝はco-sleepingであり、bed-sharingは「ベッドの共有」つまり(居眠りなどで)結果として共有したということも含まれます。
http://www.jalc-net.jp/dl/UKUnicef-bedsharing(hospital).pdf
 stigmaをどう表現しようかも悩みました。SIDSでお子さんを失ったご両親の悲しみ・怒りは、そう簡単に言い表せるものではありません。考えたのですが、あえてスティグマと表現しました。
http://www.sids.gr.jp/

 寝返りを打てるようになる年齢以下なのに、あお向け寝で発見時はうつ伏せだった症例があったのは驚きました。著者らは原因は不明としていますが、事故・事件にせよ外因的な力があったのではないかとおもいます(そうするとSIDSの定義から外れます)。

2010年4月11日 (日)

喘息にLABAは安全か?NEJMの論文から

最初に:基本的に下手訳なので、訳し方の突っ込みは勘弁してください。

The FDA and Safe Use of Long-Acting Beta-Agonists in the Treatment of Asthma

N ENGL J MED 362;13 1169-71
http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMp1002074

(訳:抜粋)

 何十年もの間、FDAと医学界は長期作働方β刺激剤(LABAs)のどうやって安全に使用するかを議論してきた。
 アルブテロール(SABA)に比べサルメテロールで治療した患者での喘息関連死のリスクが増大していた。1994年にサルメテロールを認可してから短期間で、FDAはサルメテロールを使用した患者での深刻な喘息悪化や死亡の報告を受け取り始めた。ホルモテロールでのより小さな研究で深刻な喘息悪化(一部は挿管を必要とした)を示した。

 FDAはLABAsの利益は、薬が適切に使用されたときにリスクを上回り続け、この薬は喘息の治療薬として残るべきだと結論している。しかし、深刻なリスクのためICSのような喘息コントローラーで十分に管理できない喘息患者のために取っておくことをFDAは推奨する。さらに、大規模で無作為化された対照臨床試験(contorolled trial)でICSと同時に投与されたLABAsの安全性が評価できるまで、FDAは長期のLABAs使用を限定すべきだと信じている。FDAA(FDA改善法)の影響で、2010年2月18日FDAはアメリカで製造されているすべてのLABAsの専門的な効能書きの必要性を推奨した。

  1. すべての年齢でICSのような喘息コントローラーの同時使用なしのLABAの使用禁忌。
  2. 可能であれば、一度喘息のコントロールがICSなどで達成し維持できればLABAの中止
  3. 少量や中程度量のICSで適切にコントロールできている患者での、LABA使用を薦めない。
  4. ICSに加えてLABAを必要とする小児や思春期の患者では、併用療法のコンプライアンスを確実にするために、LABAとICSの量が固定された併用製品を推奨。

 これらにはいくつの理由がある。ひとつは、すでにLABAは喘息コントローラーなしでは使用しないというのは常識であるにもかかわらず、新しい禁忌ではLABA単独療法の重篤な危険性を強調している。二つ目は、LABAsのリスクは薬が思慮深く使用された場合リスクを最小限にでき、長期のLABAを必要としない患者はそのリスクにさらすべきではないとFDAは信じている。三つ目はLABAsの長期使用の患者は、喘息コントローラー薬でコントロールできない患者に限定すべきである。
 最後に、LABAとICSを別々に投与された場合、小児と思春期ではコンプライアンスを確保するのが難しいため、FDAはこれらの年齢でLABAとICSを含んだ併用製品を推奨している。

 このFDAの推奨は処方する医師たちに驚愕を与えた。というのは、喘息治療のガイドラインと現在の慣例では、LABAとステロイドの併用を必要とする患者ではICSをステップダウンすることに、焦点が置かれているからである。
 これらのガイドラインでは、LABAの利益は気流の改善やSABAs使用の減少などβ-刺激剤の効果でおおむね示されていた。LABA(単独またはICSの併用)で、生存率があがることや深刻な喘息悪化の改善に影響したという研究はない。

 LABAに関するまだ答えられてない重要な質問は、ICSの併用使用で喘息関連死亡率が和らぐかということである。いくつかの解析ではLABA単独使用に比べて喘息関連した深刻な有害事象が減少したことを示しているが、ほかの解析ではそうではない。

 深刻な喘息悪化と喘息関連死はLABAsのみということではない。SABAsは喘息の悪化を起こし喘息関連死の原因となるということは、50年以上知られている。原因は明らかではないが、SABAsは気管支収縮刺激に対する感受性を増加し、すなわち喘息悪化の症状をマスクすると仮定されている。リスクを最小限にするため、現在の喘息治療のガイドラインではアルブテロールやほかのSABAsは短期間の症状緩和のみに使用し、SABAsの使用を最小限にするため喘息コントローラー薬を使用することを推奨している。気管支拡張作用の時間を除いて、LABAsとSABAsの基本的薬理学的活性と臨床的活動は同じである。そのためFDAはLABAsの長期使用を薦めることに矛盾があると信じている(LABAsが喘息関連死のリスクを上げるのならば、なおさらである)。

LABAsの安全な使用のための新しい推奨を処方医師と患者に知ってもらうために、FDAはいくつかの行動をとろうとしている。

 ISC/LABAsの併用とICS単独治療と比べてのリスクを評価する臨床試験を実施することを、FDAはLABAsの製造者に要求するだろう。


注:
 喘息の治療のひとつに、β刺激薬があります。気管支を広げる作用があり、作用時間の違いから短期型(SABA)と長期型(LABA)に分けられます。以前からLABAの単独使用は危険といわれていましたが、吸入ステロイド(ICS)を併用すればいいというわけでもないようです。ただ、体感的にはLABAとICSの併用はかなり効果があります。患者さんの評価も高いです。

 記事で出ていたアルブテロールは別名サルブタモール(商品名はベネトリン)、サルメテロールは商品名セレベントです。ホルモテロールは経口では商品名アトックで、吸入では吸入ステロイド(ブデソニド)との合剤として商品名シンビコートと呼ばれています。日本でよく使われているSABAの一つ、プロカテロール(メプチン)はFDAの認可を受けていません。

 ICSとLABAの合剤でLABAの量を可変できる(fixed-doseではない)シンビコートはFDAの小児適応を受けていません。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=34698

 日本で使用できる’ fixed-dose combination product containing a LABA and an inhaled corticosteroid’ は、今のところアドエアのみです。
http://adoair.jp/

 しかし、現時点でシンビコートが小児で危険だとか、アドエアであれば絶対安全ということではありません。LABAは臨床的にはかなり有効ですが、注意して使うべきことには変わりありません。

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