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2010年9月18日 (土)

OPVの問題点 1.ポリオワクチンによる麻痺

生ポリオワクチン(OPV)の問題点を挙げています。

 一つは、OPVによる麻痺(VAPP: VAPP:Vaccine-associated Paralytic Poliomyelitis)です。生ポリオワクチンは、生きたポリオウイルスを弱毒化して作りました。普段は悪さをしませんが、体内で増殖を繰り返すう ちに野性の力を取り戻すことがあります。これが「先祖がえり(reversion)」です。日本ではOPVを2回接種しますが、一回目のほうが先祖がえり の確率が高いといわれています。それは、一回目ではまだポリオに対する免疫がないため排除するのに時間がかかり、それに伴いポリオウイルスの増殖時間が長 くなり、先祖がえりしやすくなるのです。一回目のほうが7-21倍高いとされています。
http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/idsc/disease/polio1.html

 先祖がえりしたポリオウイルスが全部発症するわけではありません。症状を起こすのは感染者の5-10%、さらに麻痺(VAPP)を起こすのはさらに0.1%といわれています。

 実際にOPVでVAPPになる確率はどのくらいなのでしょう?まずはOPVを日本で作っている、ポリオワクチン研究所では、「頻度は200万 人~300万人分の使用で1人程度」としています。OPVの添付文書には、「1981~2006年の間に免疫異常のない被接種者から麻痺患者が出た割合は 約486万回接種当たり1人」です。WHOの文書では「100万人に2-4人」です。

 実際の資料を基にすると、平成元年からの数字で、「22.85万人から55万人に一人」なのでしょう。

 詳しくは以下をごらんください。

 深夜ですが、澤田石 順先生から、興味深いコメントをいただきましたので一部を抜粋します。

http://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-c776.html

 ポリオの会 http://www5b.biglobe.ne.jp/polio/vaccine.html が政府の
公式見解(平成19年度の福田総理の答弁書)を取り上げてます。
  ◎予防接種健康被害認定審査会において生ポリオワクチン接種後に
  麻痺を発症したと認定された事例は、平成元年度以降80件であり、
  また、同審査会において生ポリオワクチンを接種された者からの
  二次感染と認定された事例は、平成16年度以降5件である。
また、同ページによると
  ◎WHOでは、生ポリオワクチン(OPV)を使った場合、新生児100万人あたり、
  2から4人の、ポリオワクチン由来の麻痺患者(VAPP)が発生するとレポート
  しています。

年間出生数について厚労省の公式発表 
   (http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei09/index.html)
によると
平成元年から平成19年までの19年間の出生数(単位は千、100以下切捨て)で計算。
 1246+1221+1223+1208+1188+1238+1187+1206+1191+1203
 +1177+1190+1170+1153+1123+1110+1062+1092+1089
 ⇒2,228万人
「平成元年度以降80件」なので、2228÷80⇒27.85万人に一人

 VAPPの症例数が、「平成元年度以降80件」のソースはこちらです。
http://www5b.biglobe.ne.jp/polio/archive/169kokkai.pdf

 OPVは日本では2回接種するものですし、1回目と2回目の接種でOPVになる確立はかなり違うので、単純比較は出来ません。仮に、2,228万人が全員OPVを2回接種し、VAPPになる確立が1回目と2回目と変わらないと仮定した場合、VAPP数が80なので

   2228万人X2÷80=55.7万人に一人

 となります。正確な数は22.85万人から55万人に一人の間なのでしょう。そうするとWHOの100万人に2-4人(つまり25万人から50万人に一人)も納得できます。


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コメント

こんにちわ澤田石です。前回の書き込みを見直して、なんて私はアタマが悪いのだと恥じています。
《WHOの100万に2~4人という数値と、27.85万人に一人との違いがあまりに大きくて驚いてます。》と私は言ってました。
⇒「27.85万人に一人」≒100万人に3.5人
つまり、100万人に2~4人にピッタシ
接種回数は二回なので、厚労省の主張を精確にいうと
⇒「約220万人に一人発症」≒「100万人に0.5人発症」
厚労省はだいたい7分の一に過小評価している疑い濃厚ですね。

でまた、長くなりますが、ポリオの会の方々らに送ったメールを一部引用します。
//////////引用開始
▼最初にデータを収集するべき主体は誰であるべきか
Aさん曰く:
 生ワクチンによるVAPP発症数については、皆で調べましたが、
 基本的にはデータはないのです。きちんと調べもしていないし、データの記録も
 あやふやなのです。その原因は、厚労省・感染研に言わせれば、ワクチンは
 地方公共団体の責任の範囲と言うはずです。2/18の厚労省との会議でも、
 官僚がそれを言いました。VAPPを最初に判定するのは地方の保健所とその
 地方の大病院ということになります。

いつものことですが、意図的にか怠慢でか知りませんが、データを集計しない。
ただし、データを集計するべきは第一に小児科学会だと私は断言します。
医療におけるガバナンスは専門職集団(その全国組織)が主体的にするべき
ものであり、先進国ではそうなっているはず。学会として独自にガイドライン
を作成し、少なくとも学会員には報告を義務付ける。学会だけでは実効性に
乏しいので日医の小児科医会と協業することも必須でしょうが、診療所の
小児科医会員はほとんど全員小児科学会に加盟していると推測されますから
学会だけでもよいでしょう。
 第一段階として学会としてデータを収集し、問題点を明らかにして
厚労省と厚労大臣に意見を言えば良い。もちろん厚労省の記者クラブで
会見することも必要。現場の臨床医が問題が存在する証拠と意見を公的に
明らかにすることにより、社会問題化することができます。そうなれば、
マスコミは事例を深く掘り下げ、市民からの幅広い意見が流布するように
なり、立法府と行政府の双方が真摯に問題に向き合う環境がととのいます。
 第二段階が直ちに不活化ワクチンの輸入となろうが、まずは政府として
きちんと調査することになろうが、公的な議論がつくされた結果であるなら
ばどちらでもいいと思います。
 日本国の医療人は個人的には粉骨砕身で技術者としても研究者としても
優秀だと思いますが、ガバナンスの意識がないのですね。開業医の小児科医会
は診療報酬のことが、学会は研究と診療技術力向上が第一。
 ポリオの生ワクチン問題に関して、日本小児科学会や日本小児科医会の
不作為の罪は非常に重いといわざるを得ません。もちろん、どちらとも
厚労省を批判すると小児医療における診療報酬点数削減という陰湿な
いやがらせにあうことを恐れて何もしてこなかった可能性大だとも
思います。
 厚労省がデータの収集をしないのは医療費削減原理主義がしみついて
いるために生理的に「できない」だけではなく、単純に医系技官が
無能だからということもあると思います。天下り先確保のために
不活化ワクチンを輸入したくないということもありますが。

▼国会で質問趣意書を提出してもらいましょう
Aさん>日本だけが例外的に440万人に1人という数字を使いますが
>中国、インドでも使いません。実際は、正確にはわからないからです。

 とはいえ、福田元総理の答弁書には平成元年からの19年間で80例の
一次感染があったと記載されてますし、その間の出生数は確実に
わかっているので、440万接種につき一例という数値は政府自身が
否定していることになります。
 質問趣意書の提出は民主党や社民党(福島さんや阿部さん)の議員の
何十人かに御願いしたら、誰かが受諾してくれると思います。
問題は新厚労大臣が官僚の答弁書を丸呑みしてしまわないように、
事前に現実を知ってもらうことですね。


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